分子薬理部長 新谷泰範
プロフィール
1997-98年 大阪大学医学部付属病院 研修医(旧第一内科)
1998-2001年 桜橋渡辺病院 (医員、循環器内科)
2005年 大阪大学大学院医学系研究科修了 博士(医学)
2005-2007年 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 研究生
2007-2013年 ロンドン大学クイーンメアリ校 ポスドク 2010年より自身でグラントを獲得し、心筋、神経細胞におけるTLR9の役割に関する研究を展開(New Investigator Research Grant (MRC grant; G1000461)
2013-2017年 大阪大学大学院医学系研究科医化学 助教
2017-2019年  同上 准教授
2019年-   国立循環器病研究センター研究所分子薬理部部長

分子薬理部では医療につながる研究を目指しています。研究の1つの軸はエネルギー産生の根幹であるミトコンドリアの呼吸鎖活性調節です。呼吸鎖活性の低下はミトコンドリア病の根本原因であり、また神経変性疾患、糖尿病、心不全、癌など多くのヒトの疾患でその病態形成との関連が指摘されています。私たちは呼吸鎖の終末に位置するチトクロムCオキシダーゼに注目し、呼吸鎖機能の活性化剤によるミトコンドリア病の治療薬開発を行っています。また呼吸鎖の活性阻害は生物種特異的に行うことができれば、バクテリアや寄生虫を標的とした抗生剤の開発にもつながります。そのためにX線結晶解析、クライオ電顕による構造解析、計算化学を組み合わせた標的タンパク質から攻めるrationalな創薬を提案しています。そのほか、創薬標的となるような新規機能分子の探索研究は大学院生の頃から取り組んでいます。心臓の特性に迫りながら、誰も想像していなかったような分子、現象の発見から、ヒト疾患まで展開できるような研究をしていきたいと思っています。

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